大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)353 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岡林濯水の上告理由は結局、

(一)原判決が乙第四号証により、上告人がDとの間の流抵当の特約を解消し、

薪二五〇升を代物弁済として受取ることを約した旨を認定しているのは経験則に反

し、(二)原判決が本件五〇万円の債務につき上告人とDとの間に成立した本件山

林についての流抵当契約は民法九〇条に反し無効であると判示したのは違法である

というに帰する。しかし、原判決は本件山林の流抵当の特約がなされた後昭和二六

年二月四日に至り、本件五〇万円の債務について、上告人とDとの間に、薪二五〇

升による代物弁済契約が成立し、その際乙第四号証が差入れられたものであつて、

これによつて右流抵当の特約が解消されたものであると判断したのである。かく判

断したからといつて必ずしも経験則に違反するものとはいいえないから(一)の所

論は理由がない。(二)の所論は原審が仮定的に判示する所を違法と主張するにす

ぎず、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張するものとは認めら

れないから採用することを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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